「たかが選手が」
投稿日:2024/12/22
「無礼な事を言うな。分をわきまえなきゃいかんよ。たかが選手が!」。
有名な言葉ですね。
これで一気にナベツネさんが世間から嫌われ、球界再編の流れは一変しました。
ところが、「たかが選手が」発言には続きがあったことは知られていません。
筆者も知りませんでした。
こう続きます。
「たかが選手だって、立派な選手もいるけどね。オーナーと対等に話をする(野球)協約上の根拠は1つもない」
野球協約で思い出しました。
野茂がメジャーに挑戦する際、ダン野村が代理人となり、野球協約の“盲点”をつきました。
当時、メジャー挑戦したい野茂とそれを阻止したい近鉄は揉めに揉めていました。
「その団野村とともに、野茂はプロ野球選手の身分を規定している「統一契約書」を徹底的に調べ上げた。野球協約を熟読すれば、日本の「任意引退」は、元の球団の同意がなければ他球団への移籍はできないことが分かる。しかし、米国は日本の野球協約の適用外だった。
つまり、日本の「任意引退」は、米国では「フリーエージェント」と解釈され、日米間でその覚え書きも存在していた。日本の野球協約は“国内法”に過ぎないのだ。
(中略)
しかし、両者の「視点」は、完全に違っていた。このままでは、野球ができなくなると考えるのは、日本だけを見た発想に過ぎなかった。米国では関係ないのだ。
近鉄の球団社長・前田泰男は、野茂からの「任意引退同意書」を受け取った後、コミッショナー事務局に問い合わせていた。そこで初めて、アメリカに渡れば、野茂はフリーエージェントとなることに気づくのだ。」
引用元
野茂英雄の会見直前、近鉄は球団旗を外した…「メジャー挑戦」電撃発表の舞台裏 記者が明かす「野茂と近鉄の視点は、完全に違っていた」
契約書(原文)に何が書いてあるのかが非常に重要なことを素晴らしくうまく示した具体例だと思います。
野茂が道を切り開き、ここから今の大谷選手の活躍とつながっていくわけです。