売り手市場

投稿日:2025/4/16

新入生、新入社員が入って来る季節です。

筆者が勤めている会社にも来ました。

毎年なんですが、研修があります。

ただ、他の会社と違うことは一日職場体験があることです。

絶対配属にならない部署に来て、一日職場の先輩の隣について学びます。

筆者の課にも毎年来ています。

筆者の所属は海外営業ですので、だいたい理系出身者が来ますね。(開発や製造に配属になるからです)

 

普段は新卒の方と話す機会は少ないので、最近の話が楽しいですね。

そしてびっくりしました。

今年、研修に来た新入社員は内定6つもらっていました。

じゃあ、あと5つも断って、なんでウチみたいなとこ来たんだ、もっと良いところあっただろ、とか言いましたが、言い過ぎですね。

 

超売り手市場は本当だったと思った次第です。

筆者が就職したときは、氷河期と言われていました。

当時学生は、本当に本当に職を得るのに苦労しました。

筆者は、当時から言葉が出来たので、幸運にも希望職種で内定をもらいましたが、同級生でも100通ぐらい書類送っても次に進めない学生がいました。

バイト先の仲間も、本人たちは言いませんでしたが、社員さんからほとんどが就職決まらないまま卒業になると聞きました。

女学生は更に厳しく、真面目に勉強していたコほど決まらず、かわいそうに思った記憶があります。

 

ところが、その後に雇用環境は回復し、2005年には就職氷河期は一旦終結、2006年から2008年の3年間は一転して「売り手市場」と呼ばれるようになりました。

2008年で終わる理由わかりますか?

サブプライム住宅ローン危機がきっかけとなり投資銀行のリーマン・ブラザーズ・ホールディングスが2008年9月15日に経営破綻し、そこから連鎖的に世界金融危機が発生しました。

いわゆるリーマンショックです。

呼び名は、海外ではWorld Financial Crisisの方が一般的です。

 

2008年に4年生で就職活動した学生と、2009年に就職活動した学生の待遇は、雲泥の差でした。

筆者の職場には、その割を食った女性がいました。(2009年就職活動組)

ところが、彼女の姉は売り手市場組で超大手に就職しています。

 

時代は変わる、仕方ねぇだろうと言われれば、その通りですが、納得できるわけではありません。

 

これは日本の新卒一斉入社という風習が多く関係しています。

新卒というカードは、プラチナチケットです。

そのカードを持ってエスカレーターに乗りますが、それに乗りそびれると、まず途中から飛び乗ることはできません。

 

就職氷河期世代で、正規の職業に就くことができず、今も非正規で働き続けている人がたくさんいます。

なぜなら、途中乗車の可能性がほとんどないから。

ゼロではないですよ。でも、プラチナチケットを失った代償は大きい。

 

そもそも学生時代に授業そっちのけで就職活動するというのがおかしいのです。

学生の本分は、学業です。

筆者の兄は、東京の有名私学に行きましたが、そこのネイティブの教授でさえ、学生が授業でずに就職活動を優先してそれを大学が認めることに理解していなかったそうです。

筆者が駐在中も、同僚の娘さんが在学中に履歴書送っていたそうですが、企業からの返事は卒業してから連絡ください、だったそうです。

 

新卒一括採用廃止とか言っていますが、まぁすぐに無くなるとは思いませんね。